ある程度慣らさないと分からない配列変更の効果

さて、月配列 K 20170310 版で暫く慣らしてきてタイプウェルの常用でも SS を出せる程に速度が回復してきたわけだが、訳あって以前の版である月配列 K 20170301 版に近いものに戻す事にした。

理由は幾つかあるのでこの後述べるのだが、自分が変更した当初の感覚がキーに馴染んでいないのでそう感じるのか、それとも絶対的な感覚としてそう思うのかがハッキリと分からないので、どうしても暫く使い込んでみないと真価が分からず判断がつかないという辛みはあった。

「も」と「ら」がどう配置しても綺麗にならない

月配列 K 20170310 版の話であるが、月配列 K の左手側の配置は「これしかない」といった感じで決まってしまっているので出来ることとしては「も」「ら」「ー」「を」の位置を弄くり回すことぐらいであった。 だが、弄くり回していくうちに以下のことが分かってきた:

  • 「も」と「ら」を同指異鍵にすると「もらう」が凄く打ちにくい (※ 2-263 でも若干打ちにくい)
  • 「ら」を中指担当にすると「いら」「らい」が打ちにくい
  • 「ら」と「ー」を同指異鍵にすると「ラー」「ーラ」が打ちにくい

これを素直に実現すると「ーら」「もを」などの配置になってしまい、「ら」が薬指に来てしまう上、後述するが「ら」か「も」が句読点の位置に来てしまう。

句読点のキーは言うほど押しやすくない

私は漫然と句読点のキーは左手でいうところの XC キーにあたるので普通に打ちやすいキーだと思っていたのだが、やってみると思ったより打ちにくく、かつ慣れない。 最上段の 8, 9 キーの方が打ちやすいと感じてしまったほどである。

ただ Dvorak 配列を見ると句読点にあたるキーに W, V が配置されており、これは左手側の Q, J よりは頻度が高くなっている。 Dvorak の場合は左手に母音が集中して並べられているのでその兼ね合いもあるだろうから一概には言えないところではあるが、そうはいっても W, V も頻度としては低いため下段の中指、薬指は「打ちにくい」と評価されているのが分かる。

想像するに Qwerty や JIS かなで慣らしている通り ,, . のキーは句読点を打って文をしめるものだというのが指に染み込んでいるからかもしれない。

シフト打鍵の功罪

句読点のシフト打鍵は JIS かなでもやっていたのでそこまで問題ではなかったのだが、これも以前このように考察していた:

今回の月配列 K では読点をシフトキーを押しながら押下するというオペレーションにしているが、「す」が左手小指の担当なので「す。」がイマイチ快適ではない。 だが、「す。」の時は「す」の時点で SHIFT + す で押下し、そのまま「。」を押下する、という事で素早く打てる。 とりあえずこれで凌ぐことにする。

この「す。」だが、そう打とうと思っている時は問題なく出来るが、すぐ忘れてしまう。 そして私はそんなに器用な人間ではないので、こういう法則を瞬時に行うのがどうしても後手に回っていた……。 あとタイプウェルの頻度が高まっていたので「す。」自体をあまり打たず、普段使いやイータイピング長文で打たされて苦痛に感じることはあった。

2-263 式の形を出来るだけ残すという方針に戻す

以上により、句読点をシフト打鍵化してそこに単打のかなを放り込む、という試みは多少は効果があったのかもしれないが総合的にみると微妙なところでは、という結論に至った。 タイプウェルに関してはどうか分からないが、普段使いに関して言えば上記の通り悪化してしまったポイントもあった為、悩んだ末以前の版に近いものに戻すことにしたわけだ。

1 点、月配列 K 20170301 版では 2-263 式の「そ」を「せ」の方が僅かに出現頻度が高いから、という理由で交換していたのだが、今回の機会に 2-263 式の元の位置に戻すことにした。 「せ」が単打に来た利点に対し運指が若干悪化するという欠点もあり (「せかせか」「世間」などが打ちにくい) 、優劣としては微妙なところではあったのでオリジナルの 2-263 式の配置を尊重することにした。

何度も繰り返し書いてはいるが、オリジナルの 2-263 式の配置は実によく出来ており、このように配置をちょっと変えてバランスを崩した時にそれがよく分かる。

月配列 K

/* 単打 */
[
  |ふ|ら|ゅ|ゃ|  |ち|も|ー|  |  |
そ|こ|し|て|ょ|つ|ん|い|の|り|  |
は|か|  |と|た|く|う|  |゛|き|れ|
す|け|に|な|さ|っ|る|、|。|゜|・|
]

[d],[k][
ぅ|ぁ|ぃ|ぇ|ぉ|  |  |  |  |  |  |
  |ひ|ほ|  |め|ぬ|え|み|や|  |「|
  |を|  |あ|よ|ま|お|  |わ|ゆ|」|
  |へ|せ|  |  |む|ろ|ね|  |  |  |
]

月配列 K のアイデンティティ

当初の金看板であった「中指シフト自体にはキーを配置しない」は十分効果があったことを身をもって実証できた。 自分としても打っている時に「あぁ、今シフト 2 回打ってしまった」という時が何度かあったのだが、オリジナルの月配列だと異なる文字が出力されているところがそうならない。 しかし何回「ら」と「も」を引っ越ししてきたことだろうか……。

それに比べて「ふ」「ゅ」「ゃ」とシフト面の「ぅぁぃぇぉ」は最初の設計から動かしていない。 「にゅ」「ちぇ」がちょっとまずいが、それにしても「しゅしゃ」と「ふぁぃぇぉ」の打ちやすさを考えればそこまで気にならない。

やはり私のような配列に関する知識が乏しい者が元の配列の良さを壊すまでの位置の置き換えをするのはいいアイデアではないようだ。 この後特に際立った不満がなければ、月配列 K はこれで固定とする。 あったとしてもシフトキーを利用した記号の入力を取り入れるくらいのものである。