本日は待ちに待った新年チェス祭り 2021 だった。 とはいっても NCS の大会はクリスマスチェスパーティー 2020 に参加したばかりだったので割と慣れた感じで行けた。 前回の 50+10 に比べて今回の 15+10 の方が遥かに負担が少ないのも気分を楽にした。 前回と同じく、始まる前にコンビニで糖分補給用のチョコレートとお茶を購入しておく。

1R 目は私よりレートが 650 以上高いという圧倒的に強い方。 しかも私が黒。 ハッキリ言って奇跡が起きない限り勝ち目はない。 適当に負けて次に臨もうか迷ったが 1. d4 を指してきたので勉強のつもりで本気で向かい合った。 やろうと決めてはいたのだがまだ実戦でほとんど試せていない 1... c5 (オールド・ベノニ・ディフェンス) でいった。 何とかピースダウンさせずに終盤戦まで持ち込んだが、私の時間が残り少なくなってしまい、結局時間に追われてブランダーを指し負けてしまった。

2R 目は UR の外国人の方。 私が白でルイ・ロペス・ベルリン・ディフェンスのまずまず得意な形になった。 相手のナイトをうまくピンして相手が ... h6, g5 とビショップを追い払いに来たところにナイトをサクリファイスしてキャスリング陣形をがら空きにした。 そのまま進めたところ相手がピンされているナイトを動かしてしまい、私が相手のクイーンを取ったところで相手の方がリザインした。 一瞬で終わってしまったのでアービターの方も「これはどうしたのですか?終わったのですか?メイトではないようですが……」と声をかけてきた。 私が対局内容を説明し納得いただいた。 そのお陰でかなり長い昼休みを確保できた。 前回と同じくバーガーキングに行ってダブルワッパーチーズセット、とにかく肉を食い力を蓄えた。

3R 目はレーティング 200 上の外国人の方。 格上相手に黒、しかもまた練習不足の 1. d4 ということで勝算は薄いかもしれないと思ったが、また 1... c5 を選択。 すると 2. dxc5 の変化を選んできて一瞬エッ?となった (2. d5 と素通りするのが最善でテイクするのは取り返されてしまうのでそこまで良くないと思う)。 これなら戦える。 2... e6 としてビショップでポーンを取り返し 1R 目と同じような局面になった。 このオープニング全然練習できていなかったので全く自信がなかったのだが、バックランクメイトの目がある局面でタクティクスを決め、何とピースアップ。 そして相手の方が狼狽したところで更にナイトでフォークを決め、相手の方リザイン。 感動で胸が打ち震えた。 NCS レーティング 1500 というのは私から見るとかなりの強敵。 しかし私でも根気強く頑張れば勝てることもあるのか、と思った。 この勝利は大きく、これだけでもこの大会に来た甲斐があった。

4R 目はまた私よりレートが 500 以上高いという圧倒的に強い方。 ただでさえ勝ち目がないのにそろそろ疲労も溜まってきて更に厳しい。 ということでなるべく負担をかけないように時間をかけない戦い方を選んだ。 私が白でカロ・カン・ディフェンスになったが、私が見えにくい局面でのピンを見逃し、ピースをタダで取られてしまった。 そのまま粘っても時間と労力の無駄だと思ったのでリザイン。 休憩時間を多めに確保し 5R 目に臨んだ。

大会でいただいた DGT のチェスセット

さて 5R 目。 5R 目の席順で景品をいただけるというのを事前に発表いただいていたのだが、何と私が一番いい賞に当選してしまった。 DGT のチェスセット一式をいただいた。 盤は厚紙で四つ折りにできるタイプで持ち運びやすそうだ。 プラスチック製の駒もしっかりしており、これは長く使えそうだ。 5R 目は UR の方だったが私のアレヒン・ディフェンスに対してフォー・ポーンズ・アタックを迷わず指されていたので定跡をよくご存知な腕に覚えがある方ではないかと思った。 途中相手の出方を見つつ私がキングサイドにキャスリングしたのだが、その際にクイーン・ルークのスキュアの筋を作ってしまい、それを受けるためにナイトを不自然な位置に移動するなどしていたら劣勢になってしまった。 そしてどうしようか必死に考えていたら何と時間を落として負けてしまった。 そのまま指しても負けていた試合だったと思うが、ちゃんと決着がつくまで指したかったので少し残念だった。 とはいっても相手の方がフォー・ポーンズ・アタックを受けて立ってくれたので、面白い試合にはなった。

5R が始まる前に NCS の方が「緊急事態宣言の大変な時に来ていただいてマスクやアルコール消毒などの面倒な作業をしてまでチェスの大会を盛り上げていただきまして本当にありがとうございます」といった趣旨のことを仰っていたが、正直それは逆に私が NCS の方に言いたかったことだった。 大会の収入も微々たるものだろうし、係員も少なくいろいろと対応が大変に思われたし、更にコロナ対策で盤駒の消毒やアルコールなどの用意が大変な中でこういった建設的な活動を行うのはなかなかできることではないと思う。 私にできることは、枯れ木も山の賑わいかもしれないが一生懸命こういった大会に参加してお金を落としたり情報発信をして少しでも興味を持つ方を増やすことだと思った。 YouTube のブリッツチェス実況もささやかな活動だけれども、少しでも何かに繋がっていけば私としても満足だ。