私が JIS かな打ちを始めたのがほぼ 3 ヶ月前になるが、適当に始めたのではなく何となく「タイピングだけでなく仕事やプライベートで使っていける」と思った確固たる理由がある。 それはプログラマならではの理由なのかもしれないが JIS かな打ちの弱点が自分にとってそれほど弱点には映らない、ということだった。
かな打ちの人によっては致命的な弱点
ローマ字の便利なところはローマ字入力のままで数字や記号が打てるし Shiftを押しながら入力すれば英文字もそのまま入力できるというところにある。 多分プログラマでない人などは数字や記号の半角・全角には然程執着しない人も多いはずだ。
だがかな打ちの場合これができない。 正確には出来ないことはないのだが Windows だとファンクションキーを用いる必要がある。 例えば以下のような感じだ:
「はにりいと」と入力 -> F10 を押下 -> 「files」と出力される
「は」を Shift を押しながら入力 -> F10 を押下 -> 「Files」と出力される
ただ、途中で表示されている文字が実際のものと全く異なるので typo に気づきにくくお世辞にも褒められたものではない。 例えば assassination と打ちたくて「ちととちととにもちかにらみ」と打っている途中で間違いに気付くのは困難だ (「も」でなく「み」が正解)。
記号に関しては更に難儀するもので、例えば全角「!」を打ちたいときなどどうすればいいのか困ってしまうだろう。 IME を OFF にすると半角の「!」になってしまう。
これは Shift を押しながら「ぬ」を入力 (つまり IME が OFF と仮定した時にする走査) して変換、で全角「!」を出すことが出来る。 他の記号も同様である。 だがこれもお世辞にもわかりやすいとは言えない。
かな打ちを始める前から IME を頻繁に ON, OFF する癖をつけていた
私はプログラマなので Vim キーバインドを多用する。 Vim の場合 IME が ON になっているとコマンドモードで正しくコマンドを受け付けてくれない。 日本語文字列の入力が終わったら速やかに IME を OFF にしておくのが Vimmer としての癖だ。
また、私は文体を Python 公式ドキュメントなどのように英数字記号スペースは半角 (※但し!と?は。と、に体裁を合わせる為に全角にしている。英語を書く時に半角 ! と ? が出てくるので混在してしまうが、それは , と . も同じなので良しとしている) にし、日本語文字列との境目には半角スペースを必ず入れるようにしている。そっちの方が読みやすいし、英語が単語の区切りに半角スペースを入れる言語なので、日本語との境目にも半角スペースを入れないと不自然だと思うからだ:
普通の人 -> 「僕は3月にMacBookProを買うんだ!」
私 -> 「僕は 3 月に Macbook Pro を買うんだ!」
これを効率よく行うには IME の ON, OFF がやりやすい方が良い。 出来れば 1 つのキーでの ON, OFF トグルではなく独立したキーで ON, OFF が出来る方が操作ミスが少なくなる (実際は既に IME OFF なのに ON だと思って叩いてしまうなどのミスが防げる)。 Mac だと JIS キーボードのスペースの両隣に半角 / 英数キーとかなキーがあるので、それを押すだけでいい。 特に設定も要らないので一番楽だった。 US キーボードの場合はスペースキーの両隣にあるのは Command キーなのだが Karabiner を使えば Command キーを空打ちした時に IME ON, OFF 出来るように、要するに JIS キーボード相当の挙動に変更できる。
そういうわけで私はローマ字打ちの時から頻繁に IME を ON, OFF するスタイルで慣らしていたので JIS かな打ちの「IME ON だと英数字記号が打てない (打ちにくい)」というのは大したデメリットに感じなかったというわけだ。
現在の成績
イータイピングで以下のような成績となっている:
- ローマ字: Professor
- 英語: Thunder
- かな: A- (安定 B+ か B あたり)
少しずつではあるが進歩はしているようだ。 こういうのは長い目で見ていかなければならない。
ちなみに、かな打ちを始めた時は右手小指の受け持つ範囲の広さ (特に「へ」や「ー」) に「こんなのブラインドタッチできるのか」と思ったものだ。 だが、今普通にブラインドタッチしていて「ー」は普通に打てているから驚きだ。 勿論普通のキーより打ちにくいのでミスは多いが、それなりに正しく打鍵できている。 昔は全部の記号のブラインドタッチは無理だと思っていたが、「ー」が打てるのだから実は全部ブラインドタッチで出来るという事だろう。 今では記号のブラインドタッチをする際に、逆に「へを打てば ^ か ~ になる」と活用するほどだ。
イータイピングなどでは相変わらずローマ字打ちの方が早いのだが、今思えばどうしても指をあくせくと動かさなければならず疲れる気がする。 それが実感できただけでも JIS かな打ちを練習した甲斐があったと思う。