チェスを始めた頃に、同じく初級の方からどうすれば駒のタダ取られを防げると思いますかという質問をされたことがある。 チェスを始めてみるとよく分かるのだが、うっかり相手の駒が効いているところに駒を動かしてしまってタダで取られてしまうというのが本当に多い。 これがその時は自分なりに結構注意していても起こってしまうもので、初級者としては本当に切実な思いとしてある。 チェスを始めてもうすぐ 2 年になる私だが、最近はさすがに駒のタダ取られはかなり減ってきた。 Bullet などの時間が短い試合だとまだ取られてしまうのだが、ブリッツ以上 (5 分 + 3 秒など) だと時間が切迫しないとほとんどない。 結局その質問の答えとしては毎日定期的に練習してミスを減らしていくと最終的に防げるということになる。 つまり地道な積み重ねが重要ということだ。 毎日やっていると駒の動きがパターンとして頭に構築され、見た瞬間に何となくここに動かすとタダだなと分かる場面が増えてきて結果的に考えることが少なくなり、ミスも減る。 タダ取られの話ではないが、チェス上達の手引きにも以下のような文章がある:
平均的なレベルのチェスでは、駒得の機会がずいぶん見落とされていることに驚かされる。マスターは、20 ~ 60 人くらいを相手に指す同時対局では、1 手に 30 秒ほどしか使わないが、それでもほとんど見落としをしない。マスターは、プロ野球選手の選球眼のようなものを持っている。実戦の積み重ねによって抜け目なくなっているので、局面をほとんど見なくても、狙い、駒取り、チェック、反撃に気づくのだ。 この抜け目のなさを才能のせいと決めつけるのは簡単だが、実際には、地道な厳しい実践と研究によって培われたものだ。ほとんどの読者には、こういう徹底的なトレーニングをする時間はないだろうが、抱えている問題に気づいて自分の棋力の根本的な欠点を直すためには、トレーニングが大いに役立つ。
また、WalrustheGreat: チェスが上手くなるには・・・1.初中級者と上級者の最大の差に以下のように書かれている:
ミスで最も多かったのは、駒損の「見落とし」だった。 上級者と初中級者の最大の違いは、タクティクスの読みの深さでも、ストラテジーの知識の豊かさでも、エンドゲームの知識でも、ましてやオープニングの知識でもないということに改めて気づいた。単純に初中級者は見落としミスが多くそれゆえに負ける。SoltisのWhat It Takes to become a chess master(チェスマスターになるためには何が必要か) に、レーティング1900に達するためにはブランダーをしなくなることにより達成できると書かれているが、まんざら嘘ではないのだろう。
これが本当に同意するところで、私は 2 年間 Chess.com や lichess, CHESS HEROZ でチェスをプレイしてきたが、ほぼすべての試合が明らかな悪手で試合が決着する。 じわじわと劣勢に陥っていきそのままじわじわと負けるというのはなく、必ず明らかな A 級ミスで負ける。 その内容というのが結局のところ簡単な駒のタダ取られだったり、逆に相手のタダ駒を見逃してテイクできなかったり、誰でも分かるような 1 手のタクティクスを見逃して決められたりという何だか真剣にやっている割に笑ってしまうような稚拙なミスで負ける (自分がそうだし、対戦相手もそう)。 何が言いたいかというと、少なくともこのレート帯では頭が悪くて (つまり才能がなくて) タクティクスや長手数のメイトを決められないから負けるとかそういうことは全くないということだ。 前述の意識的な練習が足りていないから簡単なミスを何故か見逃してしまう。 とするとやはり今のレート帯で今より強くなるには、地道にタクティクスを解いたり簡単な検討ありで実戦を繰り返すという地道な練習が最も大事なのだと思った。